2010-02-05 Fri 18:19
どもども、先日入稿作業が終わり若干ほっとしている
T-RAyです。 本日は最終章のサンプルとサンクリでの頒布物の詳細を載せさせていただきます(^^) (あと前回の表紙への反応でかなり細かく 絵への暗喩を読み取られている方が多くておどろきました^^;) さてさて、ではでは以下ネタバレ注意。 沈黙 互いの間に交わされる言葉はなく 二つの思惑は決して交わることはない 「なに深刻な顔してるのよ」 館を出て初めて掛けられた言葉に、紫さんの顔を見つめる 「そんな顔してたんじゃ、勝てるものも勝てなくなるわよ」 笑顔で続ける紫さんは、いつもより、早口だった 「そうだ、この異変が片付いたら町に行きましょう」 二三歩先へ行き振り返った紫さんに、微笑み返す 「嬉しいお誘いですが、私にはお役目がありますから」 決して訪れないその幻想(ゆめ)を心にも無い理由で否定する 「なに言ってるのよ」 しかし、返された言葉は全く予想外の物だった 「この戦いが終わったら、お役目だってなくなるのよ」 「え?あ…」 あとの事など全く考えていなかったので、理解するまで時間がかかってしまった 「露店でも見て回って、貴女の好きな甘いものを食べて、 それだけでもきっと楽しいわよ」 紫さんはいつになく饒舌で本当に楽しそうだった だから…、 「だから…、死ぬんじゃないわよ」 不意に真剣な表情で見据えられて、思わず立ち止まる 「敵いませんね…」 やはり、紫さんは何もかもお見通しだったらしい 「そりゃね、今まで嫌になるくらい死にに行く人間の顔は見てきてるからね」 その時私は、紫さんの悲しそうな顔を初めて見た気がした 「それに、幽々子の事ならなんだってわかるわよ。 今まで何年一緒にいたと思ってるの」 一変して突然向けられた悪戯な笑みに視線を逸らす。 あの顔で見つめられると、どうしていいかわからなくなる。 心地よい鼓動を感じながら、先程の紫さんの言葉を 心の中で反芻する 「……あの、私たち、数日前にあったばかりだと思うのですが」 一瞬の沈黙の後、紫さんが大きな溜め息をつく 「ほんと、貴女といると調子が狂うわ」 やれやれ、と首を振る紫さんを見て、急に、怖くなった あぁ、私…… だがそれは、嫌なものではない ………死にたくない 受け入れてしまえば、諦めてしまえば、戦えると思っていた 恐怖など、邪魔なだけだと でも、今は、死ぬことへの恐怖がより生きたいと思わせる 恐怖が力に変わるのを感じる 自分のために、紫さんのために、生きて帰ろう 紫さんに視線を向けると、彼女は微笑っていた やっぱり、この人には敵わないな 私の独りよがりの決意なんて簡単に覆してしまう でもそれが全く嫌ではない 「それじゃ、策でも練りましょうか。 流石に無策で挑む訳にはいかないでしょう?」 一転して表情を引き締めた紫さんに、私も気を引き締める 「何か、あるのですか」 そう尋ねると、紫さんはいつもの悪戯な笑みを浮かべる 「貴女、何のために過去まで行ったのよ」 紫さんは私の隣に並ぶとゆっくりと説明を始める … …… ……… 「「ふぅ…」」 一通り説明が終わったところで、二人揃って息をつく 確かに紫さんの考える通り進めば西行妖を倒す事はできるだろう 「でも、そんなに上手くいくでしょうか」 「十中八九そんな簡単にはいかないでしょうね」 あいかわらずこの人は、とんでもない事を簡単に言ってくれる 「でも……、例え一割でも、その可能性に賭けるしか無いのよ」 そこまで言うと、紫さんは片目を瞑る 「まぁ、私と幽々子なら、一割あれば十分でしょう」 全く、紫さんに言われると本当にそんな気がしてしまう さらに強く、紫さんと生きたいと思う それが、例えどんなに大変な道でも、どんなに小さな光でも 「約束よ、幽々子、必ず生きて帰りましょう」 「はい」 その言葉に強く頷く 今回は諸事情によりサンプルは短めです^^; (あと、本編のネタバレもこれが出たらやっと書けます^^*) 物語は今回で終了なのですが描きたいサイドエピソードがあるので いずれまとめて出したい所です^^ さてさて、今回のセットは 新刊セット(新刊+クリアファイル+スティックポスター+紙袋) で1000円で考えております^^。 あと恒例のタペストリーもあります。(先着三名ですがorz) よろしくお願いしますm(_ _)m (あと出来たら面白いこともしようと思っておりますので乞うご期待を☆) |
2010-02-01 Mon 18:01
どもども、常に原稿に追い詰められているT-RAyです。
表紙が完成しました~! ![]() サイズ大きめのPIXIV版はこちらです♪ http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=8506763 今回のタイトルは四色晩春です(^^) (表紙のイメージとシナリオの都合で変更させていただきました~^^;) 一色風景シリーズの最後の話なので頑張って伏線回収してますよ~♪ (ついネタバレしたくなってしまうので喋らないように必死です^^) ではでは、 サンプルテキストと頒布物の詳細は後日アップ致しますので おまちくださいね~(^^) |
| 漆黒庭園 |
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